免疫はワクチン接種を受けることによっても得られます。
ウイルス感染症に対抗する薬を「抗ウイルス薬」と呼びます。
抗ウイルス薬は、ウイルスの複製を抑える作用をもっています。
ウイルスは非常に小さく、感染した細胞内で細胞自体の代謝経路を使って複製するので、抗ウイルス薬で攻撃できる代謝機能は限られます。
一方、細菌は比較的大きな生物で、一般に細胞の外で自己増殖するので、抗生物質で攻撃可能な代謝機能が多くあります。
これらの理由から、抗ウイルス薬の開発は抗生物質に比べて非常に難しいのです。
また、抗ウイルス薬は人の細胞に対して毒性をもったりします。
ウイルスが抗ウイルス薬に耐性をもつようになることもあります。
抗生物質はウイルス感染症には効きませんが、ウイルス感染症に加えて細菌感染症もある場合には、しばしば抗生物質が必要になります。
おそらくウイルス感染症で最もよくみられるのは、鼻、のど、気道の感染症です。
のどの痛み、副鼻腔炎、かぜ、インフルエンザなど、これらをまとめて「上気道感染症」と呼びます。
幼児では、クループ、気管の炎症(喉頭炎)、肺内部の気道の炎症(細気管支炎、気管支炎)もよくみられます。
狂犬病ウイルス、西ナイルウイルス、数種の脳炎ウイルスなど一部のウイルスは神経系を侵します。
ウイルス感染症は皮膚にも起こり、いぼやその他の小さな病変をつくります。
また、特に乳幼児はさまざまなウイルスに日常的に感染します。
ヘルペスウイルスによる感染症もよくみられます。
人に感染するヘルペスウイルスは8種類あります。
このうち、単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型、水痘帯状疱疹ウイルスの3種類は、感染して皮膚に水疱(すいほう)をつくります。
エプスタイン‐バー(EB)ウイルスは伝染性単核球症を起こします。
サイトメガロウイルスは、新生児や免疫機能の低下した人に重度の感染症を引き起こしますが、免疫機能が正常な人の場合は、伝染性単核球症に似た症状が現れます。
ヒトヘルペスウイルス6型と7型は、突発性発疹として知られている小児の病気を引き起こします。
ヒトヘルペスウイルス8型は、エイズ患者に発症するカポジ肉腫という癌との関連が示唆されています。
ヘルペスウイルスはすべて、宿主細胞の中で休眠(潜伏)状態になるため、感染は終生続きます。
そして、ウイルスがときどき活性化すると、病気の症状が現れます。
再活性化は最初の感染のすぐ後に起こることもあれば、何年もたってから起こることもあります。
続き>>天然痘の脅威がよみがえる?
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