限局性掻爬皮膚炎(げんきょくせいそうはひふえん)は、皮膚の上層部に生じる、
かゆみを伴う慢性の炎症で、慢性単純性苔癬(まんせいたんじゅんせいたいせん)、神経皮膚炎ともいいます。
限局性掻爬皮膚炎は、皮膚の一部を慢性的にかきむしることが原因で起こります。
かくとよけいにかゆみが増し、「かゆいからかく、かくとよけいかゆくなり、さらにかく」という悪循環に陥ります。
皮膚をかく行為は特に理由なく始まることもあれば、何かの病気、
具体的には接触皮膚炎や寄生虫が原因で始まることもありますが、
原因となる病気が治った後もかく行為がずっと続いてしまうことがあります。
なぜそのようなことが起こるかはわかっていませんが、心理的な要因が関係していると考えられます。
この病気はアレルギー性ではないようです。
限局性掻爬皮膚炎は、男性よりも女性に多く、アジア系人種とアメリカ先住民に多いようです。
年代的には、20〜50歳の人に発症するのが一般的です。
限局性掻爬皮膚炎 症状と診断
この病気は体のどの部分でも発症する可能性があります。
最も多いのは頭、腕、脚ですが、肛門や腟(ちつ)で発症することもあります。
初期段階では、皮膚の見た目は正常ですが、かゆみがあります。
症状が進むと、皮膚をかいたりこすったりし続けた結果、その部分の皮膚が乾き、うろこ状になり、暗い色の皮疹ができます。
治療では、最初にかゆみを引き起こした原因として何かのアレルギーや病気がないかどうかを調べます。
異常が肛門や腟周辺に発症している場合、原因として蟯虫、トリコモナス症、痔、局所性の膿の分泌、
真菌感染症、いぼ、接触皮膚炎、乾癬(かんせん)などがないかどうかを調べます。
限局性掻爬皮膚炎 治療
この病気を治すためには、患者はその部分の皮膚をかいたりこすったりすることを完全にやめなくてはなりません。
その後、かゆみに対する標準的な治療法を行う必要があります。
ステロイド薬をしみこませた外科用テープを貼ると、かゆみと炎症を和らげ、かつ、皮膚をかかないよう保護することができます。
かゆみを抑えるため、長時間作用型のステロイド薬を皮下注射することもあります。
肛門や腟周辺に発症している場合は、ステロイドクリームによる治療が最適です。
クリームを塗った上から、その部分を保護するためにペースト状の酸化亜鉛を塗る場合もあります。
このペーストは鉱物油でふき取ります。
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2011年2月2日水曜日
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