肺炎は、肺にある小さな空気の袋(肺胞)とその周辺組織に起こる感染症です。
他の重い慢性的な病気のある患者にとって、肺炎は死に至る病気です。
肺炎は、死亡原因全体の中では第6位を占め、
病院内でかかる感染症の中では最も致死率の高い病気です。
開発途上国では、肺炎は死因の第1位か、
重症の下痢で起こる脱水症に次いで第2位となっています。
肺炎が発症する環境は、医師にとって最も重要なポイントの1つです。
肺炎には、住んでいる地域で起こる市中感染肺炎、
病院内で起こる病院内感染肺炎、老人ホームなどで起こる施設内感染肺炎があります。
この条件から、肺炎を起こした微生物が特定できることがあります。
たとえば、市中感染肺炎はグラム陽性菌の肺炎球菌による可能性が高く、
病院内感染肺炎では、黄色ブドウ球菌または、
肺炎桿菌や緑膿菌などのグラム陰性菌の可能性が高くなります。
感染した微生物が何であるかによって、肺炎の重症度や治療法に違いが生じます。
つまり、自宅で経口薬を飲んだ方がよいか、
病院で静脈内に注射をした方がよいかといった違いが生じます。
医師にとってもう1つの重要なポイントは、肺炎を発症したのが、
健康な人なのか免疫力が低下している人なのかです。
免疫力の低下は、コルチコステロイド薬といったある種の薬剤や、
エイズなどの病気でみられます。
免疫力は、急性か慢性かを問わず、重症な病気によっても低下し、
これは高齢者に多くみられます。
免疫力が低下した人は、非常にまれな微生物によるものも含め、
肺炎に非常にかかりやすくなり、健康な人のようには治療が効きません。
喫煙者や、アルコール依存症、糖尿病、心不全、
慢性閉塞性肺疾患などの患者も肺炎にかかりやすい傾向があります。
乳児・年少児や高齢者が肺炎になるリスクは平均より高く、
衰弱している人、寝たきり状態の人、麻痺(まひ)のある人、
意識のない人などもリスクが高くなります。
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2011年2月23日水曜日
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