化学物質による食中毒は、毒素を含むキノコや動物を食べた場合に起こります。
毒キノコ中毒: 食中毒を起こす毒キノコはいくつかあります。
毒性の強さは、同種類の毒キノコでも、生育段階や調理法によって異なります。
アセタケ属の多くや、カヤタケ属の一部のキノコで起こる食中毒では、ムスカリンがその毒性物質です。
食後数分から2時間ほどで、涙液と唾液の分泌増加、瞳孔の縮小(縮瞳)、発汗、嘔吐、胃けいれん、下痢、めまい、錯乱、昏睡(こんすい)、ときにはてんかん発作などの症状が現れます。
適切な処置をすれば普通は24時間以内に回復します。治療をしないで放置していると数時間以内に死亡することもあります。
タマゴテングダケとその仲間のキノコではファロイジンによる中毒が起こります。
症状は食後6〜24時間で現れます。ムスカリン中毒と同様の胃腸症状がみられ、また、腎臓の障害により尿量が減少したり尿が出なくなったりします。
肝臓も障害され、2〜3日で黄疸(おうだん)が起こります。
症状は自然に解消することもありますが、ファロイジン中毒を起こした人の約半数は5〜8日で死に至ります。
植物による中毒:
植物の葉や果物を食べることによって起こる中毒で、野生の植物でも栽培された植物でも起こります。
緑色をしていたり芽を出している地下茎や根はソラニンを含んでいて、それが軽度の吐き気、嘔吐、下痢、脱力を引き起こします。
アッキーという木の実は、ジャマイカ嘔吐病の原因となります。
魚介類による中毒: 胃腸炎は魚類や貝類を食べることによっても起こります。
魚類の食中毒を起こす主な毒素は、シガテラ、テトロドトキシン、ヒスタミンの3つです。
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