難聴 聾 原因
耳硬化症: 耳硬化症は遺伝性の障害で、中耳と内耳を取り巻く骨が過剰に拡大します。
この骨が大きくなりすぎると、内耳につながったあぶみ骨が振動できなくなり、音がうまく伝わらなくなります。
大きくなりすぎた骨が内耳と脳を結ぶ神経を圧迫し、傷つける場合もあります。
耳硬化症は遺伝性の場合もあり、子供のときにはしか(麻疹)に感染した人に発症することもあります。
聴力低下が最初に現れるのは、青年期の後期から成人期の早期にかけてです。
騒音: 騒音は内耳の有毛細胞を破壊します。
騒音に対する感受性は人によって大きく異なりますが、ある程度以上の大きな音に長時間さらされれば、聴力の低下はだれにでも生じます。
騒音の大きさと騒音にさらされている時間の長さが問題で、音が大きければ大きいほど短時間でも聴力が低下します。
極度に大きな音の場合は、わずか1回だけ瞬間的に耳にしただけでも難聴を引き起こします。
大きな騒音に短時間さらされた場合は、一過性の難聴が数時間から数日続く程度ですみ、これを一過性聴力閾値変動(TTS)といいます。
しかし、騒音に繰り返しさらされた場合は特にそうですが、難聴が永久的になることもあります。
高い音が耳の中で鳴り続ける耳鳴りや、人の話が聞き取りづらくなるなどの症状は、音が大きすぎるという体からの警告シグナルです。
こうした症状がみられる人は、その音を避ける必要があります。
聴力を損なうおそれがある音源としては、アンプで増幅された大音量の音楽、電動工具や重機の音、スノーモービルなどエンジンつきの乗り物の音などがあります。
仕事中に有害レベルの騒音にさらされている人も多く、聴力低下は多くの人にとって職業上のリスクの1つとなっています。
爆発音や銃声も聴力を損ないます。
中耳炎: 小児は中耳炎の後、多少の伝音難聴になることがよくあります。
これは感染によって中耳に滲出液(しんしゅつえき)がたまるためです。
中耳炎が治って3~4週間で大半の小児は正常な聴力を取り戻しますが、難聴が続くケースも少数あります。
中耳炎が慢性化すると、伝音難聴と感音難聴をしばしば併発します。
中耳炎を繰り返し起こすと難聴になりやすい傾向があります。
自己免疫疾患: ときに自己免疫疾患も聴力低下の原因になります。
関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、パジェット病、結節性多発動脈炎のある人に、難聴が起こることがあります。
左右両側の耳に発症し、症状は一進一退するか、あるいは進行していく場合もあります。
蝸牛の細胞が免疫システムによる攻撃を受けることが原因です。
薬: 薬が難聴を引き起こすこともあります。最もよくみられるのがアミノグリコシド系抗生物質の静脈投与によるもので、特に投与量が多いときは要注意です。
まれな遺伝性疾患で、アミノグリコシド系抗生物質による難聴を特に起こしやすくなる病気もあります。
このほかバンコマイシン、キニーネ、癌(がん)の化学療法に用いられるシスプラチンやナイトロジェンマスタードなどでも起こります。
アスピリン(サリチル酸塩)も難聴の原因となりますが、この場合は薬の使用をやめれば聴力は回復します。
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2011年6月2日木曜日
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