MRI検査
脳または脊髄のMRI(磁気共鳴画像)検査では、詳細な解剖学的画像を撮影するために、磁場と非常に高周波のラジオ波が用いられます。
MRI検査は、以前に起きた脳卒中、大半の脳腫瘍、脳幹と小脳の異常、多発性硬化症などほとんどの神経学的異常を、CT検査よりもはっきりと映し出します。
この検査では、患者は管状の電磁気チェンバーの中に横になり、体にラジオ波のパルスをあてて、体の組織から戻ってくる高周波の信号を画像化します。
検査の約4分の1のケースでは、より鮮明な画像にするために強磁場に弱く引き寄せられる物質(常磁性造影剤)を静脈に注射します。
X線を使用しないという点で、MRIは安全な検査方法です。
CTと同様に、撮影は横になってじっと動かない状態で行います。
撮影全体にかかる時間は10~90分ですが、撮影する部位によって異なります。
MRIは、さまざまな方法で脳の研究に使うことができます。装置は同じものですが、異なるソフトウエアを使います。
ファンクショナルMRI検査では、人が作業をしているとき、つまり本を読んだり、字を書いたり、覚えたり、計算したり、手足を動かしたりしているときに活動している脳の領域を画像で表すことができます。
別の方法では、脳内の小さな領域にある化学物質を識別して、脳腫瘍と脳膿瘍を区別することもできます。
灌流(かんりゅう)MRI検査は、ある特定領域の血流量を測定するときに行われます。
拡散MRI検査は、急激に水分がたまった状態(脳浮腫)を検出するときに行われます。
MRIは、人工ペースメーカー、(動脈瘤の治療に使用される)磁性体の金属クリップ、その他の磁気で動作することがある装置を装着している人には使用できません。
というのは、磁場によって装置が勝手に作動したり、オーバーヒートするなどの機能障害を起こすおそれがあるからです。
それ以外の金属、たとえば人工股関節や脊椎を真っすぐに保つための金属ロッドなどは、MRIによる影響を受けません。
MRIが使えない場合には、CTで検査します。
人工呼吸器を使用している人には、磁気を帯びる部品が使われていない特殊な人工呼吸器をつけてもらってMRI検査をするか、人工呼吸用のバッグとマスクを使って手動で酸素を送りながら撮影します。
ひどい閉所恐怖症の人には、鎮静薬が役に立ちます。
1方向また複数方向が開くオープンMRI装置もあります。この装置では、患者が狭い管の中に入る必要がありません。
そのため太りすぎでMRIの管に入りきらない人にも使えます。
ただし、画像は通常の閉鎖型のMRIほど鮮明ではなく、解像度も幾分落ちます。
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