小脳は、運動順序の調整や平衡感覚と姿勢の制御を行っています。どのような形でも、小脳が損傷されると協調運動障害(運動失調)が起こります。
小脳が損傷する原因で最も多いのは、長期間のアルコール乱用です。
そのほかには脳卒中、脳腫瘍、脳内出血、繰り返し受けた頭部外傷、多発性硬化症、先天的な脳欠損、甲状腺機能低下、高熱、有毒物質(一酸化炭素や重金属など)、栄養不良などがあります。
いくつかのまれな遺伝性疾患(フリードライヒ運動失調や毛細血管拡張性運動失調など)なども小脳に損傷を与えます。
運動失調が起こると、腕や脚の位置、体の姿勢をうまく調節できなくなるため、よろめきながら手を大きくジグザグに動かします。
運動失調には、いくつかの特異的なタイプがあります。
測定障害のある人は体の動きを正確にコントロールできません。たとえば、何かを手に取ろうとしたときに、手が対象物を通り越してしまいます。
構音障害では、言葉を発するための筋肉の協調運動が十分に行われないために、言葉が不明瞭になったり、声の大きさの変動を調節できません。
この障害がある人は、口の周囲の筋肉を普通以上に大きく動かすでしょう。
また小脳がダメージを受けると企図振戦が起こります。
フリードライヒ運動失調は進行性で、5?15歳の間に歩行が不安定になります。
その後、腕の動きが協調しなくなり、話し方が不明瞭になって理解されにくくなります。
さらに、振動感覚、位置感覚(四肢の位置の認識)、反射が失われます。
精神機能も低下します。
20代後半までに、この病気の患者は車いすによる生活になります。
死因はしばしば不整脈や心不全で、通常は中年までに起こります。
フリードライヒ運動失調や毛細血管拡張性運動失調などの遺伝病に対しては、治療法がありません。
アルコール摂取やフェニトインなどの薬による運動失調は、それらを中止すれば治療できます。
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2011年11月7日月曜日
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