牽引は、通常役に立ちません。針治療やカイロプラクティックが回復を早めるという報告がありますが、ほとんどあるいはまったく効果がないという報告もあります。
回復期には、短期間あるいは背中に負担がかかる作業中にだけ、ブレースやコルセットの着用が勧められています。
しかしコルセットなどのサポーターは着心地が悪いだけでなく、長期間着用していると背中の筋肉が弱くなってしまいます。
痛みが治まった後に、医師や理学療法士が推奨する軽い運動を行うと治癒と回復を早めることができます。
背中の筋力アップやストレッチ体操は、腰痛の慢性化と再発を防ぐ効果があります。
その他の予防対策として、良い姿勢を保つ、寝るときは硬めの布団(マットレス)と適度な高さの枕を使用する、ものを持ち上げるときは適切な方法を取る、禁煙する、などを続けるか新たに始めます。
これらの方法によって、ほとんどの腰痛は1~2週間で解消します。
治療法にかかわらず、急性の痛みの80~90%は、6週間以内に消失します。
慢性腰痛の場合には、これ以外の対策が必要です。
有酸素運動が有効で、必要であれば減量を行います。
痛みがひどく、非ステロイド性抗炎症薬では十分に痛みを抑えることができないときは、オピオイド鎮痛薬が必要になります。
これらの鎮痛薬が効かない場合は、デキサメタゾンやメチルプレドニゾロンなどのステロイドとリドカインなどの局所麻酔薬を、定期的に脊柱管の周囲に硬膜外注射する方法を勧める専門家もいます。
しかし注射の効果は、通常数日から数週間しか持続しません。
経皮的電気神経刺激法(TENS)が、勧められることもあります。
低い振動電流の発生装置を使って患部にチクチクと穏やかな刺激を加えます。
痛みの程度に応じて、療法士は1日に数回、1回あたり20分から数時間、痛みのある場所に通電します。
この装置の使い方を覚えて自分で行うこともできます。
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2011年11月16日水曜日
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