2011年5月30日月曜日

消化管救急 『腹膜炎 続き』

腹膜炎 症状


嘔吐、発熱(38℃以上)、腹部の圧痛がみられます。


その他の症状は、感染症が炎症に続いて生じたかどうか、


また感染症の種類や広がりによっても異なります。


腹痛は限局したものもあれば腹部全体に及ぶものもありますが、


いずれの場合もひどく痛みます。


腹膜炎は、ただちに治療をしなければすぐに合併症が起こります。


放置しておくと、1つまたは複数の膿瘍が形成され、


感染症が組織の瘢痕(癒着)を残して腸管を閉塞します。


その結果、便を押し出す腸の力(ぜん動)が止まります(イレウス)。


血流から体液がにじみ出て腹腔へたまります。


重度の脱水症を来し、


血流から電解質(ナトリウムやカリウムなど)が失われます。


これに続いて、呼吸障害、腎不全、肝不全、


広範囲にわたる血栓症などの主要な合併症が起こります。




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2011年5月29日日曜日

消化管救急 『腹膜炎 』

腹膜炎は、通常は感染症を伴う腹腔と腹膜の炎症です。


腹膜炎は、腹腔内の感染した臓器から細菌を含んだ内容物が広がって起こります。


胃、腸、胆嚢、虫垂が穿孔して起こることが多く、


また別の部位からの感染が血流を介して腹膜へ広がることもあります。


腹膜(腹腔と臓器を覆っている膜)は感染には非常に強いので、


腹腔内細菌汚染が続かなければ、腹膜炎が進行することはなく、


治療によって腹膜も回復します。


性的に積極的な女性では、


骨盤内臓器の炎症性疾患が腹膜炎の原因であることがよくあります。


子宮や卵管の感染症は淋菌やクラミジアなど数種類の細菌によって起こり、


腹腔内へ広がります。


腹膜炎はいくつかの理由で手術後にも発症します。


手術中に胆嚢や膀胱、腸が傷つくと、細菌が腹腔内へ漏出したり、


腸の吻合手術時に内容物が漏れ、それらが原因で腹膜炎になることもあるのです。


腹膜透析(腎不全の治療)を受けている人にも、腹膜炎はよく起こります。


腹腔に留置したドレーン(排液管)を通して細菌が入ることが原因です。


肝不全や心不全では、腹腔に水がたまって(腹水)、それによって感染します。


腹膜炎は、感染症がなくても腹部臓器の炎症によって起こります。


たとえば膵臓の炎症(急性膵炎)により腹膜炎を発症することがあります。


また手術用の手袋についているタルク(滑石)やデンプンでも腹膜炎は起こります。


突発性腹膜炎は腹腔に水がたまっている(腹水)場合に起こります。


過剰な飲酒によって肝疾患を患っている人に多い疾患です。


この場合、腹水の感染は明らかな感染源がないのに起こります。




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消化管救急 『イレウス 続き』

イレウス 症状 診断


イレウスの症状は腹部膨満、嘔吐、重度の便秘、食欲不振、


けいれん性の腹痛です。


イレウスになると、腸音がほとんどまたはまったく聞こえなくなります。


腹部X線検査では腸管のふくらみをみることができます。


場合によっては大腸内視鏡(柔軟な観察用チューブによる大腸の検査)


で腸の様子をみます。



イレウス 治療


イレウスによってたまったガスや液体などを排出する必要があります。


そこでチューブを肛門から大腸まで入れて腸内の圧力を緩和します。


加えて、チューブを鼻から胃または小腸まで入れて吸引し、


腸内の圧と拡張(膨満)を緩和します。


腸の機能が正常に戻るまでは飲食はできません。


必要な水分や電解質(ナトリウム、塩化物、カリウム)


は静脈からの投与で補給します。













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消化管救急 『イレウス』

イレウス(麻痺[まひ]性腸閉塞、脱力性腸閉塞)


は腸壁が一時的に正常の収縮運動をしなくなった状態です。


腸閉塞と同様、イレウスは腸の内容物の通過を妨げます。


ただ、機械的腸閉塞症と違ってイレウスの場合は腸が破裂することはまれです。


イレウスは腹部手術の24~72時間後に起こります。


また腹部の感染症や、


腸に行く血管に血栓ができて血流量が少なくなるアテローム動脈硬化、


腸の動脈や静脈の外傷なども原因となります。


腎不全や血液中の電解質異常(低カリウム血症、高カルシウム血症)


といった腸以外の病気によってイレウスが起こることもあります。


そのほかにも薬(特にオピオイド系鎮痛薬と抗コリン作用薬)


や甲状腺機能低下症が原因となることもあります。







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2011年5月28日土曜日

消化管救急 『腸閉塞 続き』

腸閉塞 治療


腸閉塞が疑われれば入院します。


鼻から胃や腸にチューブを入れて、たまった腸液や食べものを吸引します。


水分と電解質(ナトリウム、塩化物、カリウム)


を静脈内投与して腸内の電解質のバランスを整え、


嘔吐や下痢を起こさないようにします。


潰瘍の瘢痕や癒着が原因で腸が閉塞した症例では、


以上の方法だけで閉塞が改善するケースがあります。


下部大腸がねじれて障害がある場合は、


内視鏡を肛門から挿入したりバリウムを注入して


大腸をふくらませる治療が行われることがありますが、


ほとんどの症例ではできるだけ早期に手術をします。


腸の一部を切除せずに治療できるかどうかは、


閉塞の原因が何かによって決まります。


癒着の場合は手術で離すこともできますが、


また再発しやすい傾向があります。






















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消化管救急 『腸閉塞 続き』

腸閉塞 症状 診断


腸閉塞は通常、腹部にけいれん性の痛みがあり、


腹部膨満と食欲不振を伴います。


痛みは激しく絶え間なく生じてきます。嘔吐もよくみられますが、


小腸の閉塞に比べて、大腸の閉塞では嘔吐はすぐには起きません。


腸が完全に閉塞すると便秘がひどくなりますが、


部分的な閉塞であれば下痢が起きやすくなります。


腸が破裂すると、急速に重度の炎症や感染症に至り、


ショック状態(ショックを参照)に陥ります。


触診では、腹部の圧痛や腫れ、腫瘤がないかを診察します。


聴診で腸管がたてる音(腸音)を聞くと、


腸が閉塞している場合は正常時よりも大きく高い音が聞こえたり、


あるいはまったく聴取できないこともあります。


腸の破裂によって腹膜炎を起こしていれば、腹部を押すと痛み、


押している手を急に離したときに痛みがひどくなります(反跳痛)。


腹部X線検査で拡張した腸が認められ、閉塞部位がわかります。


またこの検査で、腸の周囲や横隔膜下に空気が映ることがあります。


正常ではこの部位に空気はないので、これで腸が破裂していることがわかります。








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消化管救急 『腸閉塞 』

腸閉塞は、腸の内容物の通過が完全にふさがれているか、


重度の通過障害を来している状態をいいます。


閉塞は、小腸と大腸のどこにでも起こる可能性があります。


閉塞部から上部の腸は機能しています。


閉塞が起こると腸内の食べもの、水分、消化液、ガスなどが


詰まってしまうため腸が膨張し、腸粘膜が腫大して炎症を起こします。


この状態を放置しておくと、腸の破裂、腸の内容物の腹腔への漏出、


腹膜炎などを起こし、腹腔内での感染症に至ります。


新生児や乳児では、先天異常や腸内容物の硬いかたまり(胎便)、


腸のねじれ(腸捻転)などが原因で腸閉塞が起こります。


成人の十二指腸閉塞は、膵臓癌や潰瘍、古い手術、クローン病などによる瘢痕、


それに結合組織の線維帯が腸に巻きついて起こる癒着などが原因で起こります。


腹部筋肉の弱い部分などに異常な開口部ができ、


そこに腸の一部が脱出してヘルニアになり、詰まって腸が閉塞することもあります。


まれに胆石、未消化の食べもの、寄生虫のかたまりが腸管をふさぐこともあります。


大腸の閉塞は癌でよくみられます。


腹部の手術を受けたことがある人は、


術後の傷あとや瘢痕組織の結合(癒着)が原因で腸が閉塞しやすくなります。


硬いかたまり状の便(宿便)も腸閉塞の原因となります。


腸の閉塞によって腸への血流が絶たれれば、嵌頓(かんとん)と呼ばれる状態になります。


嵌頓は小腸閉塞患者の25%近くにみられます。


嵌頓は、腸壁の弱い部分から腸の一部が飛び出したまま元に戻らなくなったり(嵌頓ヘルニア)や、


腸がねじれたり(腸捻転[ちょうねんてん])、


腸が別の腸管の中にのめりこんだり(腸重積)することから生じます。


いずれの状態も6時間もすると腸が壊疽(えそ)を起こします。


壊疽が生じると、腸壁が壊死(えし)して腸の破裂や腹腔内膜の炎症(腹膜炎)、


感染症へと進行します。


この場合、適切な治療を受けなければ死亡します。





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