脳波検査
脳波検査(EEG)は、脳の電気活動を痛みもなく、迅速、簡単に記録できる検査で、細長い記録用紙が動いてその上に波形を記録するか、またはコンピューターに入力してデータベース化します。
EEGは、てんかん性疾患、睡眠障害、一部の代謝性疾患や脳の構造的異常の診断に役立ちます。
たとえば、肝不全による錯乱を起こすと、活動電位に特徴的なパターンがみられます。
また(脳卒中などによって)脳に損傷を受けると、活動電位が低下します。
この検査では、患者の頭皮に小さな円い粘着性のセンサー(電極)を貼りつけます。
この電極はワイヤで記録装置に接続されていて、個々の電極が検出したわずかな電圧の変化を記録(トレーシング)します。
これらのトレーシング記録が脳波の波形を構成していきます。
てんかん性疾患がある人の脳波を取るときは、長時間睡眠を取らずにおいてから検査を行います。
これは、不眠によって発作を起こりやすくするためです。
EEGを行うときは、患者は深く速い呼吸(過呼吸)をするように指示され、点滅する光を見せられます。
どちらも異常な脳波のきっかけに
なるためです。
場合によっては(発作による行動が似ており精神疾患によるものと区別が難しいケースなど)、入院してテレビカメラで患者をモニタリングしながら24時間以上連続して脳波の記録を取ることがあります。
カメラがてんかん発作のような動きを映し出したときの脳波から、発作によるものなのか、精神疾患を示唆する正常な電気活動の波形が続いているかで、明らかになります。
誘発反応
視覚、聴覚、触覚に訴える刺激を与えて、脳の特定の領域を活性化させるのが誘発反応です。
たとえばライトをパッと光らせると、眼の網膜、視神経、さらに映像を認識する脳の後部の神経経路が刺激されます。
脳波検査(EEG)では、刺激に誘発されて起こる電気活動を検出します。
普通なら、単独の刺激では脳の反応が軽すぎて、EEGでは検出できません。
しかし、たくさんの刺激を与えてやれば脳はそれらに反応し、コンピューターで平均値を出して波形を作ることができます。
誘発反応は、脳の領域がどのように機能しているのか情報を提供します。
この検査は、乳児や小児の感覚機能テストとして特に有効です。
乳児のそれぞれの耳のそばでカチッという音をたて、脳波の反応をみることで聴覚のテストができます。
誘発反応はまた、多発性硬化症と視神経、脳幹、脊髄の領域に起きた他の病変を識別するのにも役立ちます。
このような病変は、MRI検査ではおそらく発見できないでしょう。
続きます>>
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