食欲不振
食欲不振はさまざまな消化器疾患から起こります。
食欲不振になると空腹感が欠如するため、食べたいという欲求がなくなります。
食欲不振は、胃炎や胃腸炎など、消化管の炎症や感染症によって起こります。
また、消化管の閉塞や癌も食欲不振の原因となります。
消化器以外の病気も食欲不振を引き起こします。
そのほか、脳の中の食欲を調節している部分に障害が起きて食欲不振になることもあります。
吐き気
吐き気とは広い意味では、めまい、腹部全体の不快感、食欲不振、嘔吐感などの不快な感覚です。
脳の嘔吐反射中枢が刺激されると吐き気が起こります。
一般的には、消化管の働きが乱れることで吐き気が起こります。
船、自動車、飛行機の揺れによっても吐き気が起こることがあります。
また、妊娠中(特に妊娠初期の早朝)にも吐き気が生じます。
モルヒネなどのオピオイド鎮痛薬や、癌の化学療法薬など、吐き気を引き起こす薬もたくさんあります。
嘔吐
嘔吐とは、胃の強い収縮によって、胃の内容物が食道に押し上げられて口から出ることです。
普通、嘔吐は吐き気とともに起こり、吐き気を起こす原因は嘔吐の原因にもなります。
嘔吐すると胃の内容物が空になるので、少なくとも一時的には吐き気が治まります。
小腸に閉塞があると、飲食物が閉塞部分から胃に戻るため、嘔吐が起こりますが、また、胃、小腸、胆嚢の刺激や炎症でも嘔吐が起こります。
心理的な原因でも吐き気や嘔吐が起こります(機能性嘔吐あるいは心因性嘔吐といいます)。
心理的な原因による嘔吐には、意図的なものとそうでないものとがあります。
たとえば、過食症の人はやせるために意図的に嘔吐します。
意図的でないものは、登校拒否でみられる嘔吐のように、心理的な困難に対処するために条件反射として生じます。
吐物(嘔吐されたもの)の性状はさまざまで、最後に食べた食品も性状に影響します。
食べもののかたまりが混じっていることもあります。血液を嘔吐すると、吐物は鮮紅色となります(吐血)。
胆汁が混じっている吐物は緑色をしています。
嘔吐は、それほど重度でないものでも苦痛を伴います。
嘔吐する人は、普通、体を折り曲げて、大きな音をたてます。激しい嘔吐では、食べものが1メートル以上も飛ぶことがあります(噴出性嘔吐)。
嘔吐は食道内の圧力を大きく上昇させるので、ひどい場合には食道の内側の粘膜が裂けることもあります。
意識のない人が嘔吐すると、吐物を吸いこむことがあり、その場合は吐物の酸性成分によって肺が損傷を受けます。
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2011年4月5日火曜日
消化器の病気 『症状 続き』
腹痛
腹痛は、消化管あるいは腹部のどこかに異常が生じたことを知らせる体の警告信号です。高齢者は、若年者より腹痛が起こりにくく、起こってもゆっくり進行する傾向にあります。腹痛は小児にもみられます。
腹痛の原因には、感染症、炎症、潰瘍、消化器の穿孔(せんこう)や破裂、消化管の閉塞や運動異常によって生じる異常な筋収縮、消化管筋肉の酸素欠乏などがあり、複数の原因が重複していることもあります。
腹痛を起こす消化器疾患の例としては、胃潰瘍の穿孔、過敏性腸症候群、虫垂の炎症(虫垂炎)、膵臓(すいぞう)の炎症(膵炎)、癌などがあります。これらの病気は、比較的軽度ですむこともあれば、命にかかわる場合もあります。
腹痛の特徴は、その原因によってさまざまです。たとえば、過敏性腸症候群による痛みは「鈍い痛み」や「締めつけるような痛み」と表現されることが多いのに対して、胃潰瘍の痛みは「焼けつくような痛み」と表現される傾向があります。痛みの生じる場所もさまざまで、腹部全体に漠然と痛みを感じることもあれば、1カ所に限局して痛む場合もあります。たとえば、憩室炎に伴う腹痛は下腹部左側に限局していることが多く、腹腔を覆っている腹膜の炎症(腹膜炎)で起こる腹痛は、普通、腹部全体の痛みとして感じられます。
痛みの状態は、姿勢の変化や、食事や排便などの活動によって変わることがあります。たとえば膵炎では、横になると痛みが強くなり、座って上体を前に傾けると幾分和らぎます。
胸痛と背部痛
飲食物を飲みこんだ後すぐに、胸痛や背部痛が起こることがあります。この痛みは、狭心症などの心臓病で起きる痛みとよく似ていて、灼熱(しゃくねつ)感や、胸骨の下が締めつけられる感じを伴います。また、食道に障害があると、熱い飲みものや冷たい飲みものを飲みこんだときのきつく締めつける感じに似た胸痛が起こることがあります。この種の痛みは、(1)食道の筋肉の異常、(2)食道粘膜の損傷、(3)細菌やウイルス、カビによるのどの感染症、(4)腫瘍(しゅよう)などによって起こります。
鼓腸
鼓腸とは、消化管に大量のガスが存在する状態です。過剰なガスは口からげっぷとして、あるいは肛門からおならとして排出されるか、あるいは、消化管壁から血液中に吸収され、その後肺から体外へ排出されます。一部のガスは、消化管内の細菌によって、より排出しやすい成分に分解されます。
食事のときには空気も一緒に飲みこまれます。少量の空気を飲みこむのは正常ですが、無意識に大量の空気を飲みこむ人もいます。飲みこんだ空気の大部分は後でげっぷになって出ていくため、胃を通過してそれ以降の消化管に移動する空気はわずかです。空気を大量に飲みこんだ場合は、げっぷがたくさん起きたり、肛門からおならとして排出されます。
消化管の中で生成されるガスもあります。水素、メタンガス、二酸化炭素は、小腸で細菌が食べものを分解処理するときに発生します(細菌による代謝作用)。牛乳に含まれる糖質(乳糖)など、特定の糖質を分解する酵素が不足している人は、その糖質を含む食品を食べるとガスを大量に生成しやすい傾向にあります。また、どんな人でも、タンパク質や果物を大量に食べた後はある程度の鼓腸を生じます。
鼓腸があると腹痛と腹部の膨張が起こります。消化管のガスに対する反応は人によってさまざまで、大量のガスがあっても腹痛や腹部膨張が起きない人もいれば、ガスによる影響を非常に受けやすい人もいます。
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腹痛は、消化管あるいは腹部のどこかに異常が生じたことを知らせる体の警告信号です。高齢者は、若年者より腹痛が起こりにくく、起こってもゆっくり進行する傾向にあります。腹痛は小児にもみられます。
腹痛の原因には、感染症、炎症、潰瘍、消化器の穿孔(せんこう)や破裂、消化管の閉塞や運動異常によって生じる異常な筋収縮、消化管筋肉の酸素欠乏などがあり、複数の原因が重複していることもあります。
腹痛を起こす消化器疾患の例としては、胃潰瘍の穿孔、過敏性腸症候群、虫垂の炎症(虫垂炎)、膵臓(すいぞう)の炎症(膵炎)、癌などがあります。これらの病気は、比較的軽度ですむこともあれば、命にかかわる場合もあります。
腹痛の特徴は、その原因によってさまざまです。たとえば、過敏性腸症候群による痛みは「鈍い痛み」や「締めつけるような痛み」と表現されることが多いのに対して、胃潰瘍の痛みは「焼けつくような痛み」と表現される傾向があります。痛みの生じる場所もさまざまで、腹部全体に漠然と痛みを感じることもあれば、1カ所に限局して痛む場合もあります。たとえば、憩室炎に伴う腹痛は下腹部左側に限局していることが多く、腹腔を覆っている腹膜の炎症(腹膜炎)で起こる腹痛は、普通、腹部全体の痛みとして感じられます。
痛みの状態は、姿勢の変化や、食事や排便などの活動によって変わることがあります。たとえば膵炎では、横になると痛みが強くなり、座って上体を前に傾けると幾分和らぎます。
胸痛と背部痛
飲食物を飲みこんだ後すぐに、胸痛や背部痛が起こることがあります。この痛みは、狭心症などの心臓病で起きる痛みとよく似ていて、灼熱(しゃくねつ)感や、胸骨の下が締めつけられる感じを伴います。また、食道に障害があると、熱い飲みものや冷たい飲みものを飲みこんだときのきつく締めつける感じに似た胸痛が起こることがあります。この種の痛みは、(1)食道の筋肉の異常、(2)食道粘膜の損傷、(3)細菌やウイルス、カビによるのどの感染症、(4)腫瘍(しゅよう)などによって起こります。
鼓腸
鼓腸とは、消化管に大量のガスが存在する状態です。過剰なガスは口からげっぷとして、あるいは肛門からおならとして排出されるか、あるいは、消化管壁から血液中に吸収され、その後肺から体外へ排出されます。一部のガスは、消化管内の細菌によって、より排出しやすい成分に分解されます。
食事のときには空気も一緒に飲みこまれます。少量の空気を飲みこむのは正常ですが、無意識に大量の空気を飲みこむ人もいます。飲みこんだ空気の大部分は後でげっぷになって出ていくため、胃を通過してそれ以降の消化管に移動する空気はわずかです。空気を大量に飲みこんだ場合は、げっぷがたくさん起きたり、肛門からおならとして排出されます。
消化管の中で生成されるガスもあります。水素、メタンガス、二酸化炭素は、小腸で細菌が食べものを分解処理するときに発生します(細菌による代謝作用)。牛乳に含まれる糖質(乳糖)など、特定の糖質を分解する酵素が不足している人は、その糖質を含む食品を食べるとガスを大量に生成しやすい傾向にあります。また、どんな人でも、タンパク質や果物を大量に食べた後はある程度の鼓腸を生じます。
鼓腸があると腹痛と腹部の膨張が起こります。消化管のガスに対する反応は人によってさまざまで、大量のガスがあっても腹痛や腹部膨張が起きない人もいれば、ガスによる影響を非常に受けやすい人もいます。
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逆流
逆流とは、吐き気がなく、腹部の筋肉も強く収縮させていないのに、食道や胃から食べものが上がってくることをいいます。
通常は、胃と食道の間にある輪状の筋肉(括約筋)が逆流を防いでいます。逆流が起こると酸っぱい味や苦い味がしますが、それは胃から酸が上がってくるためです。
食道に狭窄(きょうさく)や通過障害がある場合は、粘液や未消化の食べものを含んだ、味のしない液体が逆流してくることがあります。
食道の通過障害は、胃酸による食道粘膜の障害、食道癌、食道と食道から胃への開口部にある食道括約筋との協調作用を行う神経の異常などによって起こります。
特に身体的な原因がないのに逆流が起こることがあります。
このような逆流を反芻(はんすう)といい、多くは食後15〜30分で少量の食べものが胃から逆流してきます。
逆流物はしばしば口まで到達し、再び咀嚼(そしゃく)、嚥下されることもあります。
反芻は痛みや嚥下困難を伴うことなく起こり、幼児にはよくみられます。
成人では、情緒障害のある人、特にストレスにさらされている人にみられます。
嚥下困難
嚥下困難とは、食べものがのどから胃にうまく流れない感じがしたり、食べものが下りていく途中で詰まった感じがすることです。
のどや食道、あるいはその近くの器官に物理的な障害物ができて液体や固体の流れが妨げられると嚥下困難が生じます。
食道癌はその典型例です。
また、嚥下困難は神経系や筋肉の異常によっても起こります。
このほか、心理的な要因で嚥下に問題が生じることもあります(心因性嚥下障害)。
心因性嚥下障害
心因性嚥下障害(以前は「ヒステリー球」と呼ばれていた症状)は、のどに何かがあるわけではないのに、あたかもかたまりか何かでのどが詰まったように感じることです。
この嚥下障害は、食道の筋肉の働きや感覚の異常などが原因となって起こります。
また、胃酸と酵素が胃から食道に逆流するときにも起こります(胃食道逆流症)。
不安あるいはその他の強い感情や、呼吸が早くなることによって、嚥下の回数が増えたり、のどが乾燥したりすることも心因性嚥下障害の原因となります。
心因性嚥下障害によって生じる感覚は、悲嘆、不安、怒り、誇り、幸福感などの感情が極まったときの、胸が詰まってものが言えない状態に似ています。
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通常は、胃と食道の間にある輪状の筋肉(括約筋)が逆流を防いでいます。逆流が起こると酸っぱい味や苦い味がしますが、それは胃から酸が上がってくるためです。
食道に狭窄(きょうさく)や通過障害がある場合は、粘液や未消化の食べものを含んだ、味のしない液体が逆流してくることがあります。
食道の通過障害は、胃酸による食道粘膜の障害、食道癌、食道と食道から胃への開口部にある食道括約筋との協調作用を行う神経の異常などによって起こります。
特に身体的な原因がないのに逆流が起こることがあります。
このような逆流を反芻(はんすう)といい、多くは食後15〜30分で少量の食べものが胃から逆流してきます。
逆流物はしばしば口まで到達し、再び咀嚼(そしゃく)、嚥下されることもあります。
反芻は痛みや嚥下困難を伴うことなく起こり、幼児にはよくみられます。
成人では、情緒障害のある人、特にストレスにさらされている人にみられます。
嚥下困難
嚥下困難とは、食べものがのどから胃にうまく流れない感じがしたり、食べものが下りていく途中で詰まった感じがすることです。
のどや食道、あるいはその近くの器官に物理的な障害物ができて液体や固体の流れが妨げられると嚥下困難が生じます。
食道癌はその典型例です。
また、嚥下困難は神経系や筋肉の異常によっても起こります。
このほか、心理的な要因で嚥下に問題が生じることもあります(心因性嚥下障害)。
心因性嚥下障害
心因性嚥下障害(以前は「ヒステリー球」と呼ばれていた症状)は、のどに何かがあるわけではないのに、あたかもかたまりか何かでのどが詰まったように感じることです。
この嚥下障害は、食道の筋肉の働きや感覚の異常などが原因となって起こります。
また、胃酸と酵素が胃から食道に逆流するときにも起こります(胃食道逆流症)。
不安あるいはその他の強い感情や、呼吸が早くなることによって、嚥下の回数が増えたり、のどが乾燥したりすることも心因性嚥下障害の原因となります。
心因性嚥下障害によって生じる感覚は、悲嘆、不安、怒り、誇り、幸福感などの感情が極まったときの、胸が詰まってものが言えない状態に似ています。
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消化器の病気 『症状 続き』
消化管出血
消化管に出血が起こることがあり、場所は口から肛門までさまざまです。
嘔吐物に出血が混ざることもあります(吐血)。
吐血は、多量の出血が持続している場合は鮮紅色をしています。
しかし、出血がゆっくり起きている場合やすでに止まっている場合には、吐いた血液がコーヒーかすのようにみえます。
これは血液が胃酸で一部消化されるためです。
消化管で出血した血液は、黒いタール状の便(黒色便)あるいは鮮紅色の便(血便)として直腸から排泄されることもあります。
黒色便は、出血部位が消化管の上部に位置する食道、胃、小腸などである場合に多くみられます。
色が黒っぽいのは、出血した血液が胃酸、胃の酵素、大腸に生息している細菌により分解されるためです。
血便は、主として出血が大腸で起きた場合にみられますが、胃、十二指腸、小腸でかなり急速に出血が起きたときにもみられます。
消化管からの出血はさまざまな原因で起こります。
たとえば、胃潰瘍(いかいよう)、腸の動脈と静脈の接続異常(動静脈奇形)、食道の静脈の異常な拡張(食道静脈瘤)、アスピリンやその他の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)など、特定の薬の服用による刺激、炎症性腸疾患、消化器癌(しょうかきがん)などです。
多量の出血が急激に起こると脈拍が増加し、血圧が低下し、尿量が減少します。
また、手足が冷たく湿った状態になります。
重度の消化管出血によって脳の血流量が減少すると、錯乱、見当識の喪失(時間、場所、人物がわからなくなること)、眠気、極度の血圧低下(ショック状態)を起こします。
胸やけ
胸やけは上腹部中央に感じる痛みあるいは不快感で、「差しこむような痛み」や「焼けつくような痛み」などと表現されることもあります。
胸やけは、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃癌などさまざまな原因で起こります。
胃の炎症(胃炎)も胸やけの原因になります。
ヘリコバクター‐ピロリ(H.ピロリ)によって胃や十二指腸(小腸の最初の部分)に炎症や潰瘍がある場合や、胆嚢(たんのう)から胆汁を送り出す管に胆石ができた場合も、胸やけを起こすことがあります。
また、アスピリンやその他の非ステロイド性抗炎症薬などの薬も胸やけの原因になります。
しかし、特に異常がなくても胸やけの症状が起きることも少なくありません(機能性胃腸症)。
こうした症状は、胃の感受性が高まったり、収縮(痙縮[けいしゅく])が強まることによって起こるものです。
不安が原因で胸やけが起きたり悪化することがあります。
不安のため不快な感覚に敏感になり、軽度の不快感も苦痛に感じられるからです。
不安によって、胃の感受性や収縮の異常が悪化したり、あるいは、ため息をつく、せわしなく息をする、空気を飲みこむ(空気嚥下症、呑気[どんき]症)などの症状が現れたりします。
上腹部の不快感と痛みは、その質や程度が人によって違います。
多くの人は「差しこむような痛み」や「焼けつくような痛み」だと表現します。
食事をすると痛みが強くなることもあれば、楽になることもあります。
その他の症状として、食欲不振、吐き気、便秘、下痢、膨満感、げっぷ、腸が大きく鳴る(腹鳴)などもみられます。
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消化管に出血が起こることがあり、場所は口から肛門までさまざまです。
嘔吐物に出血が混ざることもあります(吐血)。
吐血は、多量の出血が持続している場合は鮮紅色をしています。
しかし、出血がゆっくり起きている場合やすでに止まっている場合には、吐いた血液がコーヒーかすのようにみえます。
これは血液が胃酸で一部消化されるためです。
消化管で出血した血液は、黒いタール状の便(黒色便)あるいは鮮紅色の便(血便)として直腸から排泄されることもあります。
黒色便は、出血部位が消化管の上部に位置する食道、胃、小腸などである場合に多くみられます。
色が黒っぽいのは、出血した血液が胃酸、胃の酵素、大腸に生息している細菌により分解されるためです。
血便は、主として出血が大腸で起きた場合にみられますが、胃、十二指腸、小腸でかなり急速に出血が起きたときにもみられます。
消化管からの出血はさまざまな原因で起こります。
たとえば、胃潰瘍(いかいよう)、腸の動脈と静脈の接続異常(動静脈奇形)、食道の静脈の異常な拡張(食道静脈瘤)、アスピリンやその他の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)など、特定の薬の服用による刺激、炎症性腸疾患、消化器癌(しょうかきがん)などです。
多量の出血が急激に起こると脈拍が増加し、血圧が低下し、尿量が減少します。
また、手足が冷たく湿った状態になります。
重度の消化管出血によって脳の血流量が減少すると、錯乱、見当識の喪失(時間、場所、人物がわからなくなること)、眠気、極度の血圧低下(ショック状態)を起こします。
胸やけ
胸やけは上腹部中央に感じる痛みあるいは不快感で、「差しこむような痛み」や「焼けつくような痛み」などと表現されることもあります。
胸やけは、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃癌などさまざまな原因で起こります。
胃の炎症(胃炎)も胸やけの原因になります。
ヘリコバクター‐ピロリ(H.ピロリ)によって胃や十二指腸(小腸の最初の部分)に炎症や潰瘍がある場合や、胆嚢(たんのう)から胆汁を送り出す管に胆石ができた場合も、胸やけを起こすことがあります。
また、アスピリンやその他の非ステロイド性抗炎症薬などの薬も胸やけの原因になります。
しかし、特に異常がなくても胸やけの症状が起きることも少なくありません(機能性胃腸症)。
こうした症状は、胃の感受性が高まったり、収縮(痙縮[けいしゅく])が強まることによって起こるものです。
不安が原因で胸やけが起きたり悪化することがあります。
不安のため不快な感覚に敏感になり、軽度の不快感も苦痛に感じられるからです。
不安によって、胃の感受性や収縮の異常が悪化したり、あるいは、ため息をつく、せわしなく息をする、空気を飲みこむ(空気嚥下症、呑気[どんき]症)などの症状が現れたりします。
上腹部の不快感と痛みは、その質や程度が人によって違います。
多くの人は「差しこむような痛み」や「焼けつくような痛み」だと表現します。
食事をすると痛みが強くなることもあれば、楽になることもあります。
その他の症状として、食欲不振、吐き気、便秘、下痢、膨満感、げっぷ、腸が大きく鳴る(腹鳴)などもみられます。
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2011年4月4日月曜日
化器の病気 『症状 』
消化器病気の症状
下痢、便秘、消化管出血、逆流、嚥下(えんげ)困難などの症状は通常、消化器が障害を起こしたときにみられます。腹痛、鼓腸(こちょう)、食欲不振、吐き気などのより一般的な症状は、消化器疾患が原因で生じることもあれば消化器以外の病気によって起こることもあります。
「消化不良」という言葉は、人によって違う意味で使われるあいまいな言葉で、胸やけ、吐き気、嘔吐、逆流、のどのつかえ(心因性嚥下障害)など、消化器系に起こるさまざまな症状を指します。
下痢
下痢とは軟便が頻繁に排便される状態をいいます。下痢のときの便の硬さは、軟らかいペースト状から水様性までさまざまな状態になります。便の色も、褐色から透明までさまざまです。便が黒いときは消化管で出血が起きていることがあります。黒い色が出血からきているものであれば、便はタール状になり異臭があります(黒色便)。
下痢では、排便前や排便中に腸管のけいれんが起きることがあります。しばしば便とともに大量のガスも出ます。吐き気がする場合もあり、特に細菌やウイルス、毒性物質などで下痢が起きたときは吐き気が強くなります。
便秘
便秘とは排便の回数が減ることです。便秘になると、便が硬くなってスムーズに排便できない状態になります。直腸に便が残っているように感じることもあります。
便秘では排便のときに力むと腹痛が起きることがあります。また、排便の後も腹痛が続く人もいます。便秘になると、吐き気や食欲不振も起きます。重度の便秘がある人では、大腸の最後の部分や直腸に便が停滞して硬くなり、腸の上方から次の便が送られてくるのを妨げます。便が停滞するとけいれんと直腸の痛みを引き起こします。停滞した便の周囲から水っぽい粘液がにじみ出て排泄されることがよくあり、その結果、本当は便秘なのを下痢と間違えてしまう人もいます。
便秘は、他の病気や薬の服用で便が大腸を通過するのが遅くなることでも起こります。また、脱水症や食物繊維の摂取量が少ない場合にも起こります。体の痛みや、うつ病などの心理状態も便秘の原因になります。しかし、原因が特定できないことも少なくありません。
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下痢、便秘、消化管出血、逆流、嚥下(えんげ)困難などの症状は通常、消化器が障害を起こしたときにみられます。腹痛、鼓腸(こちょう)、食欲不振、吐き気などのより一般的な症状は、消化器疾患が原因で生じることもあれば消化器以外の病気によって起こることもあります。
「消化不良」という言葉は、人によって違う意味で使われるあいまいな言葉で、胸やけ、吐き気、嘔吐、逆流、のどのつかえ(心因性嚥下障害)など、消化器系に起こるさまざまな症状を指します。
下痢
下痢とは軟便が頻繁に排便される状態をいいます。下痢のときの便の硬さは、軟らかいペースト状から水様性までさまざまな状態になります。便の色も、褐色から透明までさまざまです。便が黒いときは消化管で出血が起きていることがあります。黒い色が出血からきているものであれば、便はタール状になり異臭があります(黒色便)。
下痢では、排便前や排便中に腸管のけいれんが起きることがあります。しばしば便とともに大量のガスも出ます。吐き気がする場合もあり、特に細菌やウイルス、毒性物質などで下痢が起きたときは吐き気が強くなります。
便秘
便秘とは排便の回数が減ることです。便秘になると、便が硬くなってスムーズに排便できない状態になります。直腸に便が残っているように感じることもあります。
便秘では排便のときに力むと腹痛が起きることがあります。また、排便の後も腹痛が続く人もいます。便秘になると、吐き気や食欲不振も起きます。重度の便秘がある人では、大腸の最後の部分や直腸に便が停滞して硬くなり、腸の上方から次の便が送られてくるのを妨げます。便が停滞するとけいれんと直腸の痛みを引き起こします。停滞した便の周囲から水っぽい粘液がにじみ出て排泄されることがよくあり、その結果、本当は便秘なのを下痢と間違えてしまう人もいます。
便秘は、他の病気や薬の服用で便が大腸を通過するのが遅くなることでも起こります。また、脱水症や食物繊維の摂取量が少ない場合にも起こります。体の痛みや、うつ病などの心理状態も便秘の原因になります。しかし、原因が特定できないことも少なくありません。
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消化器の病気 『消化器系-加 齢 』
消化器系は多くの予備的な構造を備えているので、加齢による機能への影響は他の臓器に比べると少ないといえます。しかし、加齢が要因となる消化器系の病気もいくつかあります。特に、憩室(けいしつ)症や、薬の副作用による消化器系の病気(便秘など)は高齢者に多くみられます。
食道: 加齢によって、食道の収縮機能が低下し、上部食道括約筋の張力が弱くなりますが、食べものの流れがこの変化で損なわれることはありません。しかし、高齢者は食道の収縮を妨げる病気にかかりやすい傾向があります。
胃: 加齢によって、損傷に対する胃の内面の抵抗力が弱まるため、胃潰瘍になるリスクが増加します。特に、アスピリンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などを服用している人は潰瘍ができやすくなります。また、加齢とともに胃の弾力性が低下するので、大量の食べものを入れることができなくなり、十二指腸に食べものを送り出す速度も低下します。しかし、ほとんどの場合、目立った症状は現れません。加齢自体が、胃酸やペプシンなどの胃液を分泌する機能に影響することはほとんどありませんが、胃酸の分泌を減少させる病気(萎縮性胃炎など)にはかかりやすくなります。
小腸: 小腸の構造は加齢による影響をほとんど受けないので、内容物の通過速度や栄養素の吸収機能はあまり変化しません。しかし、ラクターゼの活性が低下するため、高齢者では乳製品をうまく消化できない人が多くなります(乳糖不耐症)。ある種の細菌が小腸内で過剰に繁殖することもあり、体重減少の原因となります。細菌が増えすぎると、葉酸、鉄、カルシウムなどの栄養素の吸収率が低下します。
膵臓、肝臓、胆嚢: 膵臓は加齢とともに重さが減少し、また、組織の一部分が線維組織に置き換わります(線維化)。しかし、消化酵素と炭酸水素ナトリウムを産生する機能は衰えません。肝臓と胆嚢では、構造的な変化や微小な変化が生じます
大腸と直腸: 大腸は高齢になってもあまり変化しません。直腸はいくらか大きくなります。年をとると便秘になりやすい傾向がありますが、これには、大腸での内容物の通過が少し遅くなることと、直腸に便がたまったときの筋肉の収縮力がやや衰えることも関係しています。
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メタボリックシンドローム、生活習慣病
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食道: 加齢によって、食道の収縮機能が低下し、上部食道括約筋の張力が弱くなりますが、食べものの流れがこの変化で損なわれることはありません。しかし、高齢者は食道の収縮を妨げる病気にかかりやすい傾向があります。
胃: 加齢によって、損傷に対する胃の内面の抵抗力が弱まるため、胃潰瘍になるリスクが増加します。特に、アスピリンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などを服用している人は潰瘍ができやすくなります。また、加齢とともに胃の弾力性が低下するので、大量の食べものを入れることができなくなり、十二指腸に食べものを送り出す速度も低下します。しかし、ほとんどの場合、目立った症状は現れません。加齢自体が、胃酸やペプシンなどの胃液を分泌する機能に影響することはほとんどありませんが、胃酸の分泌を減少させる病気(萎縮性胃炎など)にはかかりやすくなります。
小腸: 小腸の構造は加齢による影響をほとんど受けないので、内容物の通過速度や栄養素の吸収機能はあまり変化しません。しかし、ラクターゼの活性が低下するため、高齢者では乳製品をうまく消化できない人が多くなります(乳糖不耐症)。ある種の細菌が小腸内で過剰に繁殖することもあり、体重減少の原因となります。細菌が増えすぎると、葉酸、鉄、カルシウムなどの栄養素の吸収率が低下します。
膵臓、肝臓、胆嚢: 膵臓は加齢とともに重さが減少し、また、組織の一部分が線維組織に置き換わります(線維化)。しかし、消化酵素と炭酸水素ナトリウムを産生する機能は衰えません。肝臓と胆嚢では、構造的な変化や微小な変化が生じます
大腸と直腸: 大腸は高齢になってもあまり変化しません。直腸はいくらか大きくなります。年をとると便秘になりやすい傾向がありますが、これには、大腸での内容物の通過が少し遅くなることと、直腸に便がたまったときの筋肉の収縮力がやや衰えることも関係しています。
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消化器の病気 『消化器系-直腸 肛門』
直腸は大腸の終わりのS状結腸に続く部分で、
最後は肛門へと続いています。
普通、便は下行結腸にとどまっているため、
直腸は空になっています。
下行結腸でいっぱいになった便が直腸に下りてくると便意が起こります(排便)。
成人や年長児はトイレに入るまで便意をこらえることができますが、
幼児や年少児は肛門の筋肉を調節する機能が発達していないため、
排便を遅らせることができません。
肛門は消化管の最後に位置する開口部で、
体から便を排泄する所です。
肛門は、腸の組織と皮膚などの体表組織とでできていて、
肛門を覆っている皮膚は体の外側の皮膚とつながっています。
肛門には輪状の筋肉(肛門括約筋)があります。
排便のとき以外は、肛門括約筋が収縮しているため、
肛門は閉じています。
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直腸は空になっています。
下行結腸でいっぱいになった便が直腸に下りてくると便意が起こります(排便)。
成人や年長児はトイレに入るまで便意をこらえることができますが、
幼児や年少児は肛門の筋肉を調節する機能が発達していないため、
排便を遅らせることができません。
肛門は消化管の最後に位置する開口部で、
体から便を排泄する所です。
肛門は、腸の組織と皮膚などの体表組織とでできていて、
肛門を覆っている皮膚は体の外側の皮膚とつながっています。
肛門には輪状の筋肉(肛門括約筋)があります。
排便のとき以外は、肛門括約筋が収縮しているため、
肛門は閉じています。
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